ただ空回り。
②
そしてまた席替えをした。
隣の席はどっかの知らない男子。
名前は大澤賢哉[おおさわけんや]。
いかつい顔で誰も近づけなさそうなオーラを放っていた。
後ろは梨那[りな]という子であっさりとした性格の子だった。
梨那はソフトボール部で焼けた肌がまぶしかった。
そんな、いかつい賢哉と歌手の話をした。
私が好きな歌手の有名な曲のタイトルを言った瞬間・・・・・・。
「~~♪」
賢哉はその歌を歌いだした。
しゃべらない、
笑わない、
そんな雰囲気の賢哉。
あまりの上手さに私は驚きで声も出なかった。