キスよりも……
 「ナニ?話って」


いまこそ、言うんだ。


 「あっ、あのさ…ずっと前から気になってたんだけどっ」


ふう、第一段階クリア!


 「うん」


 「…どうしてすっ、好きって言ってくれないの?」


その言葉を聞いて彼の表情が急変した。


 「…えっ、それは」


顔が赤くなった。


 「それは?」


 「っ、はー。なんっで今いうかなー。俺さ、一番大事なひとに大好きとか言うの…なんつーか、照れるんだよな。だから、それが理由!わかった?」


ん?え?は?


 「大事?一番。私のこと、好きなの?綾」


 「は!?そっそりゃ、つきあってたらすっ好きになるに、決まってんだろ!?」


小声であー恥ずかしーといいながら顔が真っ赤の彼は、



優しく大事そうに、私を抱きしめた。


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