キスよりも……
 「…ちょっ、あ、綾!?」


 「…だまってろ。このほうが顔が見えなくていい」


あなたはいいとしても私の心臓がもつかどーか!


 「…綾、そういえば、この前の女の子って誰?だったの?」


 「…え。見てたの?」


そう言うと彼はもっと顔が赤くなった。


 「いっちばんアズネには見られたくなかったんだけどなー」


あれ?隠すような関係じゃなくても恥ずかしいの?



 「あれはー従姉妹だよ。今ー小6かな」


 「・・・はぁ!?え、だだだってあの子すっごく大人っぽかったし、腕まで組んでたじゃん!」


 「おっまえ、そこまで見てたのか!あの子はなーちょっと困ったとこがあって、俺が一番気に入られてるから面倒なんだよ」


うーん。障害者とか?



 「あの子はなー性格が女王様なんだよ。んー簡単に言うとだな、ナルシストなんだよ。分かったか?アズネ」


 「うん。分かった。…あの…ごめんね?こんな、疑って」


 「まったくだ」


 「うう、ごめ「ばーか。嘘だよ。ありがとな、素直に言ってくれて」


 「う、うん!あ、でもさーすっごく勇気というか、意気込みがものすごくってね。綾にイラついたりもしたよ」


 「うっわ、そりゃひどい。よかったー俺串刺しになんなくてすんだ」
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