恋人ごっこ



 目を覚ますと、見たことのない天井が広がっていた。

 そこは保健室でも自分の部屋でもない。



 「あ、目覚めた?」



 そこにはベットに腕を置き、優しくはにかむ先輩がいた。



 「えっと・・・」




 「ここ俺の家。急に倒れるからさ、連れてきた」


 はい?


 「屋上で貧血起こしたんだよ。ずっと寝てなかったんでしょ?たぶんまともにメシも食ってないな」



 はあ、なんてため息をつかれる始末・・・。





 「あ、あたし帰りますっ」



 痛っ

 ムリに起き上がろうとすると頭に鋭い痛みが走った。




 「ムリすんなよ」



 そう言うと先輩はまたあたしをベットに寝かせた。

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