恋人ごっこ


 あきらめかけていたその時だった。



 ダンダンダンダンッ


 階段をかけ上がってくる音が聞こえた。



 バンッ!!



 勢いよく部屋のドアが開いた。

 そこにいたのは文哉と・・・綺麗な女の人だった。




 「夏樹さん!」



 夏樹先輩は動じることなくあたしにキスをする。
 半ばあたしは抵抗をやめていた。





 その時、

 「ふざけんなよ!!!」

 あたしは夏樹先輩から引き剥がされ、バキッと殴られる音がした。




 気付けば床に先輩が尻餅をつく形になっていた。

 さらに文哉は無抵抗な先輩を殴り続けた。


 あたしは震えながらもなんとか声を紡いだ。




 「ふ、文哉!もう、や、やめて!」




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