恋人ごっこ


 「大丈夫?」


 放心状態のあたしに夏樹先輩は声をかけた。
 ちょっと先輩の頬が赤い。


 「あ・・・えっと、その、すいません!・・・あたしの代わりに・・・」


 うまく言葉にできないあたしはただただ頭を下げた。


 「気にしなくていーよ。そんな痛くないし!」


 ドキ・・・


 
 さわやかな笑顔に不覚にもときめいてしまった。

 
 「でも・・・何か冷やすものを・・・」

 「いいって、その代わり・・・」


 「?」








 「俺の彼女にならない?」



< 8 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop