恋人ごっこ
「大丈夫?」
放心状態のあたしに夏樹先輩は声をかけた。
ちょっと先輩の頬が赤い。
「あ・・・えっと、その、すいません!・・・あたしの代わりに・・・」
うまく言葉にできないあたしはただただ頭を下げた。
「気にしなくていーよ。そんな痛くないし!」
ドキ・・・
さわやかな笑顔に不覚にもときめいてしまった。
「でも・・・何か冷やすものを・・・」
「いいって、その代わり・・・」
「?」
「俺の彼女にならない?」