ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
「レオ様はヴラド様に似て大変麗しい顔立ちをしておりますので、どんな衣装を着てもお似合いになると思いますよ」


バドは王子衣装だけを残して、部屋を去っていこうとしたので、レオは慌ててバドの背中に向かって叫んだ。


「待て待て待て! さっきのでいい!」


「おや、そうですか。
可愛らしい王子姿が拝見できると思ったのですが」


そう言うとバドは最初に出した衣装をレオに渡し、「わたくしはドアの外におります。着替え終わりましたら呼んでください」と言って部屋を出て行った。


衣装と共に残されたレオは、覚悟を決めて袖に手を通した。

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