ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
茜はいつものように、一人で学校へと向かう。


馴染みある通学路。


いつも立ち止まってしまうT字路に、黒い影が見えた。


胸が自然と高鳴っていた。


誰……?


茜は速足でT字路へ向かう。


左右を向いても誰もいない。


確かに見たのに。


茜はキョロキョロと見渡しながら、黒い影の正体を探す。


すると、一匹の大きな黒い犬がひょっこり現れた。


くりくりの大きな瞳が愛らしい。


首には鈴のような丸いものが付いた首輪をしていた。
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