ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
茜は一人、自分の席に座りながら頬杖をついて、窓からうつる空の雲を目で追っていた。


茜は窓際の席ではないけれど、隣の席は空席なので横を見れば直に外の風景を見ることができる。


ずっと雲の行方を目で追いかけていたので、朝のショートホームルームが始まっていたことに気付かなかった。


「「ええ~~~~~!」」


クラスメイトの驚き声で、ようやく顔を上げ先生に焦点を合わせた。


「今までご両親の都合でアメリカに住んでいたという帰国子女だ。
この時期に転入生を迎い入れるのは異例なんだが、転入試験で満点の成績をとった優秀な生徒だぞ。
みんな仲良くしてやってくれ」


……転校生?


茜は頬杖を解き、先生は廊下に視線を向けた。


先生に呼ばれた転校生が教室に入ってくる。


その姿に、教室中が静まり返った。
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