ヴァンパイア王子~覚醒のblood~

休み時間。


凄い転校生が来たということは、すぐに学校中に知れ渡った。


他のクラスや上級生もレオを一目見るために、教室にやってきた。


廊下には見学者で溢れ返り、教室から出ることさえ難しそうだ。


そんな人だかりの中、鋭い瞳が妖しく光った。


レオはその気配に気付き、廊下に目をやる。


人だかりの一番後ろの方に横目でチラリとレオの姿を見ている男がいた。
假屋崎だ。


レオと假屋崎は目を合わせ、お互い声を出さずに相手を確認し合った。


その時間は、ほんの数秒。


獣のような鋭い目付きでレオを視界に捉えた神無月は、すっと人だかりに消えていった。
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