ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
「インターナショナルスクールに通っていたからね。
それに、海外を転々としていたんだ」


レオの言葉に、茜はなるほどと頷いた。


海外に行くことが多かったのなら、知らないのも納得できる。


「転々って例えば?」


「そこまで詳しく答えないといけないのか?」


「気になっただけだよ。そう怒るなよ」


レオはテーブルに肘をついて、手の平の上に顔を乗せ、假屋崎にそっぽを向けた。


俺のこと覚えてるくせに白々しい。


レオは假屋崎の態度に苛つき、そしてあることに気が付いた。


……魔力を感じない。


魔界にいた時はヴァンパイア含め全ての魔物から魔力を感じていた。


帯電しているようなものなので、近くにより身体から微弱に放出している魔力に触れなければ、意識することもない。


假屋崎の力は未知数だと言っていたが、もしかしたら全く力がないのかもしれない。


だから赤銀を使ってあんなことを……。
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