ヴァンパイア王子～覚醒のblood～

そっぽを向いたレオを無視して茜と談笑している假屋崎の横顔を盗み見た。


調べる必要があるな。


レオは、假屋崎の後ろに置かれている掃除道具が入っているロッカーに精神を集中させた。


するとそのロッカーが假屋崎に向かって倒れてきた。


「キャー！　危ない！」


目の前で倒れるロッカーにいち早く気付いた茜は声を上げたが、假屋崎が気付き後ろを向いた時にはロッカーは目の前まで倒れ掛かってきていた。


「くっ！」


假屋崎は手も使わずに大きなロッカーを目の前でピタリと止めて見せた。


そしてロッカーは前に倒れてきたにも関わらず、横に倒れた。


ガシャーンと大きな音が部屋に響く。


「大丈夫か！？　假屋崎！」


レオの演技に假屋崎は鋭く睨み付けた。