ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
やることがなくなり、三人は生徒会室を後にして校庭を通り、校門前まで歩いてきた。


すると、一匹の黒く大きな犬が三人を待っていたかのように現れた。


日向である。


「あっ、こいつは……」


假屋崎が日向を見て呟いた。


「秀平君もこの犬のこと知ってるの? 
のら犬らしいんだけど懐かれちゃって」


「犬? こいつは狼だ」


假屋崎は断言した。


「狼!? まさか」


「最近夜中にウロウロしている奴だ。
狼は危険な動物だ。
近付かない方がいい」


日向を冷たく睨み付ける假屋崎に、日向は長い鼻に皺を寄せて「ウ~~」と唸った。
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