ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
「……なるほど。噂では聞いていたが凄まじい気だな。
お前が王族に仕える殺し屋か」
「殺し屋とは失礼ですね。わたくしは高級執事でございます」
赤銀はひらりと身を翻すと、いつの間にか窓が開いており、サッシに足をかけて今にも飛び降りそうな格好で振り向いた。
「今は戦わない。まだ本調子じゃないんでね」
「おや、逃げるのですか?」
「時期が来たらお前とも一戦交えるだろう。だが今は時期早々だ。それまで首を洗って待ってることだな」
「その言葉、そっくりそのままお返しします」
バドの言葉に赤銀は小さくほほ笑むと、怜央を一瞥して「またな」と言って窓から飛び降りた。
「お、おい! ここは4階だぞ!」
怜央が叫んで、飛び降りた窓に駆け寄り地面を見下ろしたが、そこには誰もいなかった。
「あいつは……一体……」
怜央の呟きは穏やかになった風に吹かれて消えていった。
お前が王族に仕える殺し屋か」
「殺し屋とは失礼ですね。わたくしは高級執事でございます」
赤銀はひらりと身を翻すと、いつの間にか窓が開いており、サッシに足をかけて今にも飛び降りそうな格好で振り向いた。
「今は戦わない。まだ本調子じゃないんでね」
「おや、逃げるのですか?」
「時期が来たらお前とも一戦交えるだろう。だが今は時期早々だ。それまで首を洗って待ってることだな」
「その言葉、そっくりそのままお返しします」
バドの言葉に赤銀は小さくほほ笑むと、怜央を一瞥して「またな」と言って窓から飛び降りた。
「お、おい! ここは4階だぞ!」
怜央が叫んで、飛び降りた窓に駆け寄り地面を見下ろしたが、そこには誰もいなかった。
「あいつは……一体……」
怜央の呟きは穏やかになった風に吹かれて消えていった。