ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
バドに促されて立ち上がり、歩こうとすると足がもつれた。
酷い貧血のように頭がクラクラする。
「今の状態では危険ですね。人を見れば、見境なく襲ってしまうかもしれません。
そうだ、シャオン様から預かっていたものがあるんです」
そう言うとバドは懐から水筒を取りだした。
シャオンって誰だよ、と怜央は思ったが、全てが訳のわからないことだったので、いちいち聞く気にもなれなかった。
水筒は黒のシンプルでどこにでも売っていそうなものだったが、蓋に青の油性ペンで何を描いたか分からない子供の落書きのようなものが書いてあった。
その絵に見覚えのある怜央は、渡された水筒を見て絶句した。
見覚えがあるもなにも、その落書きは昔怜央自身が描いたものだった。
「お前……これをどこから……」
「シャオン様からいただいたと言ったでしょう。さっ早く飲みほしてしまってください」
水筒の中身からは、飲み慣れた赤いジュースの匂いがした。
怪しい人物から差し出された飲み物だったが、咽が渇望していた怜央はそれを飲み干した。
体中に染み渡り、ようやく生きた心地がした。
飲み干して、顔色が良くなったのを見届けると、バドは怜央の腕を掴んで逃げるように生徒会室を出た。
そのほんの数秒後、何も知らない茜達が倒れている藤崎を発見する――
酷い貧血のように頭がクラクラする。
「今の状態では危険ですね。人を見れば、見境なく襲ってしまうかもしれません。
そうだ、シャオン様から預かっていたものがあるんです」
そう言うとバドは懐から水筒を取りだした。
シャオンって誰だよ、と怜央は思ったが、全てが訳のわからないことだったので、いちいち聞く気にもなれなかった。
水筒は黒のシンプルでどこにでも売っていそうなものだったが、蓋に青の油性ペンで何を描いたか分からない子供の落書きのようなものが書いてあった。
その絵に見覚えのある怜央は、渡された水筒を見て絶句した。
見覚えがあるもなにも、その落書きは昔怜央自身が描いたものだった。
「お前……これをどこから……」
「シャオン様からいただいたと言ったでしょう。さっ早く飲みほしてしまってください」
水筒の中身からは、飲み慣れた赤いジュースの匂いがした。
怪しい人物から差し出された飲み物だったが、咽が渇望していた怜央はそれを飲み干した。
体中に染み渡り、ようやく生きた心地がした。
飲み干して、顔色が良くなったのを見届けると、バドは怜央の腕を掴んで逃げるように生徒会室を出た。
そのほんの数秒後、何も知らない茜達が倒れている藤崎を発見する――