蹴球魂!!!!
「FW…」

大輔先輩は、そこまで言うと、苦そうな顔をした。


「FW、佐伯…」


あたしじゃ、なかった。

あたしの代わりにFWとして出場する佐伯くんは、毎日必死に練習していた。


あれだけミスしまくったんだもん、変えられても当然だよね…。


ーピーッ

後半戦が、始まった。

ボールを運ぶのは、晃汰と佐伯くん…。


あの役目は、あたしだったのに…。


「円…大丈夫…??」

本当、あたし何してるんだろう??

「大丈夫だよっ!!」

「そう…??無理しないでね??」

「うん!!ありがと♪」


あたし、嘘つき。

本当はつらくて苦しくて、プレーに集中出来なかった自分が情けなくて…。

なのに、心配してくれた胡桃には、笑って誤魔化した。


なんであんなに集中出来なかったんだろう??


ーピッ ピッ ピーッ


試合終了のホイッスルが鳴った。


「「ありがとうございました…」」


結果は1-0。1年生にとって初めての黒星だった。


「おい」

片付けをしてたら、晃汰に声をかけられた。

「な、何…??」

怒ったような目つきの晃汰に、ビクビクしながら応えた。
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