蹴球魂!!!!
晃汰の気が抜けた声でハッとした。

やばいやばい、集中しなきゃ!!


「よーい、スタート!!」


ーバッ

晃汰の掛け声に、リフティングを始める。


とりあえず、ボールを浮かせる事は出来た…。

第一関門は突破☆


あとはリズム良く、ボールを足の甲に当て続ける。

単純な作業。

難しい技をやる必要はない。


ーポーン ポーン ポーン ポーン


一定のリズムを保って、足の甲に当て続ける。

集中を切らさず、諦めず…。


それから、あたしの意識がボールから離れる事はなかった。


「あっ!!」

少しだけ安心した瞬間、ボールはいとも簡単に、あたしの足を離れた。


「…終わり!!」

「「っ!?!?!?」」


突然、晃汰の声が響いた。


「佐伯、1023回目で失敗」

ードクン


今までの特訓で、1023回なんて回数、出した事ない…。


「円」

次は、あたしの回数。

晃汰の動かす口が、やけにスローモーションに見えた。


ードクン ドクン

心臓がうるさく跳ねる。
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