蹴球魂!!!!
「お前はさぁ、わかってんだろ??」


詰め寄られて、背中がドンッと木にぶつかる。

晃汰の視線が、声が…怖い。


怒ってる。

怒らせたのは、絶対にあたしだ。

あたしが唯斗先輩を呼んだからだ…。


「俺が傷つくの、わかってるわけ??」

怖い。

「まだ鈴木が好きだって、お前に言ったよな??」

痛い。

「お前が良かれと思ってやった事で、俺は…!!!!」

辛い。


「俺は、鈴木が…!!!!」

「やだ!!!!」


気付けばあたしは、逃げていた。


嫌だった。

晃汰の気持ちが痛いほど伝わって、だからこそ、嫌だった。


「円…??別行動してたんじゃ…っ!?」

目の前に現れた彼は、すぐさまあたしの顔をタオルで拭った。

「飛鳥…ありがと」

「いいから、気にすんな」

優しい飛鳥に頭を撫でられて、あたしはただただ、泣いた。


晃汰の、馬鹿…。


「円…泣き止んだ??」

「うん…ごめんね」

「もう泣くなよ…。円は笑ってろよ…」

ーズキンッ


なんで、飛鳥はこんなに優しいのかな??

なんで、あたしは晃汰しか好きになれないのかな…??
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