蹴球魂!!!!
あたしだって、嫌だった。


晃汰の気持ちは、痛いほどわかった。

…あたしも、同じ気持ちだったから。


晃汰が胡桃を想うように、あたしも晃汰を想っているから。

晃汰が傷つくのと同じだけ、あたしも傷ついているから。


「…落ち着いた??」

優しいトーンで囁く飛鳥。

「うん…」


ーギュッ

ガッチリとした腕に抱き締められた。


「あ、飛鳥っ!?」

飛鳥の胸の鼓動が、直に伝わる。

飛鳥の気持ちが、そっと流れてくる。


「俺も、同じだから」


ーズキン


「ご、ごめ…」

「謝っても意味ないっしょ??」

「う…」


そうだった。


自分の事でいっぱいいっぱいだったけど、飛鳥だって同じだった。


なのに。

「俺は、円に泣いて欲しくない」

飛鳥はいつだって、優しい。


いつだって、あたしの事を考えてくれてた。


ごめんね。

言葉には出来ないけど、本当にごめん…。
< 204 / 394 >

この作品をシェア

pagetop