蹴球魂!!!!
今日の晃汰は優しくて、温かかった。

ケンカした後だからかな…??


「次、あれ行くぞ」

「え"」


晃汰が指差したのは、小さな市民プールのクセに、無駄にデカいウォータースライダー。

…マジですか??


ータン タン タン

軽快なリズムで階段を登っていく晃汰。


「えぇぇ…」

それに引き換え、ウダウダするあたし。

だって…このウォータースライダー、超怖いって有名なんだもん…。


「何??ビビってんの??」

「び!?ビビってないし!!!!」

「へぇ??ビビってんだー??」

「だから、ビビってな…」

「「キャァァァァァ!!!!」」


言い終えない所で聞こえてきた悲鳴。

こ…怖い。怖いよー!!!!


「ぶふっ!!超鳥肌立ってんじゃん」

「う、うるさい…」

「お前面白ぇ」


晃汰に馬鹿にされながらも、あたしたちは頂上へとたどり着いた。

ここまで来たら…乗ってやる!!


「…お前にしか言わねぇけど」

「何ー!?」


意を決して2人でウォータースライダーに乗っていた時、急に晃汰が口を開いた。

しかも、その声はあたしの耳にまっすぐ伝わった。


「俺……!!」
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