蹴球魂!!!!
ーバスッ…


まさに、一瞬の出来事だった。

「唯斗!!よくやってくれた!!!!」

大輔先輩の絶妙なスルーパスを受けたFWの唯斗先輩は、一気にトップスピードに乗って、シュート。

あまりにも手本のようにしっかりとしたシュートで、FWのあたしが見習わなければならないポイントを教えてくれてるようだった。


「唯斗先輩、ナイスシュートです!!」

普段は無口な晃汰も、今日は大声で応援していた。


そして、スコアは1-0のまま、ハーフタイムを迎えた。

「先輩、タオルどうぞ!!」

「ドリンク誰か買ってこい!!」

「拓郎先輩の治療、誰か出来るか!?」

「あ、あたしやります!!」


前半を終えた11人は、だいぶ疲れが見えていた。


「いいか、向こうは体力には自信を持ってる学校だ。しっかりと正確なパスをしないと、向こうに逆転されるぞ!?」

「「おう!!!!」」


普段はふざけてる先輩も、試合してる時は凄く真剣で。

「頑張って…!!」

心から、そう思った。


ーピッ ピッ ピーーッ!!

長めのホイッスルが響く。

それは、試合終了を合図するホイッスルだった。


「う…嘘ぉ……!!」


「「うぉぉーーっ!!!!!!!!」」

満面の笑みを浮かべた先輩たちが、泥だらけになりながら、物凄い勢いで走ってくる。


「「先輩…!!」」
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