蹴球魂!!!!
「「お嬢様方、遅くなりました」」


爽やかにそう登場したのは大輔先輩を先頭とした、他のダンス選抜メンバー。


いや、遅くなりすぎです。


冷静に突っ込みたい気持ちをグッと抑えて、お客さんにひたすらスマイルを振りまくあたし。

って、何してんだか。


「円ちゃん、休憩してきていいよー」

「お言葉に甘えて!!!!」


大輔先輩の声に素早く反応したあたしは、いち早く休憩ルーム(という名の物置)へ非難した。

…疲れたー!!!!


「ん」

ボーッとしていると、おでこにヒヤッと冷たいモノが当たった。

「え??晃汰??」


目の前には見間違えるはずのない袴姿。

だけど、今来たばっかりなのに、ここにいていいはずがない。


「俺も疲れたから休憩ー♪」

「え。許可取ったの??」

「んなわけあるか」


…ですよね。


「これ、飛鳥がお前にってさ」

晃汰の手にある、あたしのおでこを冷やしたモノは、見覚えがあった。

「あ、“執事特製、お嬢様に捧ぐ絶品パフェ”じゃん」

「お前それ…よく覚えたな」

「でしょ??言ってて笑えるけど」


そんな他愛ない会話の途中で、晃汰はゴロンと床に寝そべった。


「ちょっと俺、ガチで寝るわ」

「了解!!おやすみー」


そう言った数分後、晃汰は規則正しい寝息をたて始めた。

寝るの早っ!!!!
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