蹴球魂!!!!
「ち、違っ…!!」


そんな、いつもと違う晃汰に戸惑って、あたしは顔を赤くしながら否定した。

我ながらかわいくないなぁ、なんて思うけど、素直に甘えるなんて…あたしには出来ない。


「ふ。馬鹿だな、やっぱ」

「んぬ!?そんな事ないし!!」

…理数科目に関しては、馬鹿の域を越えるぐらいだけどさ。

「そーゆー所が、馬鹿なんだよ」


ードキン


馬鹿にされてるのに、今までよりも優しい声色に、心は大きく反応する。

あたしって、単純だ。


「朝からいちゃつきモードですな??」

「ちょ、胡桃っ…!!おっさんみたいだよ!?」

「ええでないの、お嬢さん」


皆の所に戻ると、胡桃が肘で小突いてきた。

…中年のおっさんだよ、それじゃあ……。


胡桃のかわいい顔が台無しだよ!!


胡桃のニヤニヤに気付いた周りの子たちが続々と集まってきて…あたしは質問責めにあった。


…胡桃の馬鹿ぁ!!!!


向こうでは晃汰が、男子たちに質問責めにあってる。

きっと原因は俊介だね。


「デート、しないの??」

輪の中にいた女の子の1人が、にっこりと笑って言う。

この子は確か、中1から続いてる彼氏がいる。


「そ…そんなにすぐするものですかね!?」

「するよー!!同じ部活なんだし、放課後デートとかしやすいじゃん♪」

「そうそう!!彼氏と同じ部活だと予定合うからいいよねー」

「ウチもそう思う!!」
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