蹴球魂!!!!

Game57

「静かにしろ」

「「っ…」」


いつもよりワントーン低い部長の声。

その目は凄く真剣で、部員の誰もがすぐに口を閉じた。


「今日まで、毎日お前らの練習を見てきた。お前らの努力を見てきた」


ードクン


「ふざけてたり、力抜いたりするような馬鹿は、このサッカー部には1人もいない」


そう、誰もが一生懸命。

休憩時間に軽くふざけても、練習再開の声がかかると、まるで別人のように目の色を変えていた。

誰もが本気で、誰もがスタメンの座を狙ってる。


「それは俺ら3年だけじゃなく、お前ら自身もわかってると思う」


うん、わかってる。

努力したのは、“自分だけ”じゃない。


「それを踏まえた上で…大会メンバーを発表する」


ーゴクッ…

部員全員が息を飲む。

あたしの頬には、秋にも関わらず、汗が一筋流れていた。


「まず、フォーメーションは4-4-2」

「「はいっ!!!!」」


…4-4-2。

つまりFWのスタメンとしてメンバーに選ばれるのは…2人だけ。


やっぱり…わかってたけど、立ちはだかる壁は、想像以上に高い。
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