蹴球魂!!!!
でも、やる事は…出来る事は、全部やった。

今はただ、名前を呼ばれる事を祈るしかない。

だったら、まっすぐ前を向こう。

クヨクヨしてても意味ないもんね!!


「まず…GK。スタメン1人、リザーブ2人」

「「はい」」


部長の言葉に応えたのは、GKの1年生2人と、2年生3人。

普段おちゃらけてる俊介だけど、やる時はやる。

きっと、そんな姿を部長は見てくれてるはず。


「じゃ、リザーブから。1年と2年から1人ずつ!!」


その言葉に、部室内がざわつく。

俊介がもし呼ばれなかったら、スタメンか…メンバー外。

あたしの心臓はまるで自分の事のようにドクドクと脈打っていた。


「1年生、田原 俊介」

「っ!!…はい!!」


呼ばれたのは、俊介の名前だった。

呼ばれた張本人は、嬉しいような、悔しいような…何とも言えない表情をしていた。


結局スタメンに選ばれたのは、普段から試合慣れしてる2年生だった。


「次は…DFだな」


部長のその言葉と同時に、誰かがあたしの背中をつついた。

驚いて振り返ると、そこにあるのは飛鳥の緊張した顔。


「応援、しててな??」

「う、ん…」


小声でそう言ってはにかむ飛鳥。

応援、しないわけないじゃん…!!!!
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