蹴球魂!!!!
練習の時から気合いの入り方が人並み外れてて、いつも彼の周りにはどよめきが起こっていた。
「DFはスタメン4人、リザーブ5人な」
合計で9人かぁ…。
DFも、やっぱり狭き門だな…。
後ろをチラッと振り返ると、顔を強張らせた飛鳥がいた。
目が合うと、ニッと笑ってくれたけど…その表情からは緊張が溢れていた。
「リザーブは1年生1人、2年生4人!!」
部長の言葉に、部室内はさっきと同じようなどよめきが起こった。
「じゃあ、DF発表する。1年生、森山 飛鳥」
「…っ、はい」
やっぱり飛鳥の名前も、リザーブの中にあった。
次々と呼ばれる、リザーブとスタメンの名前の中に、1年生の名前は…なかった。
「飛鳥」
一通りDFのメンバーを発表した所で、部長が飛鳥の名前を呼んだ。
「…何ですか??」
「お前…部活終わったら、ちょっと残れる??」
「え??どういう…」
部長の言葉に、明らかに混迷の色を見せる飛鳥。
呼び出しって…どういう事??
「すぐ終わるから」
「わかり、ました…」
「おし。んじゃ、次はMFな」
部長の笑顔に負けたのか、飛鳥はそう答えた。
MFと言えば、有力候補は大輔先輩だよね。
あの存在感は半端じゃないもん。
晃汰…余裕とか言ってたけど、本当に大丈夫なの…??