蹴球魂!!!!
気持ちがプラス思考になって、心が軽くなった、そんな時。


「1年生、佐伯「は、はい!!!!」……。」

リザーブの1年生として、佐伯くんの名前が呼ばれた。

大喜びの佐伯くんは、部長の言葉を遮って返事をして、嬉しそうにガッツポーズをしている。


その一方で、あたしはどん底に叩き落とされたような気分になった。


着々と他のリザーブの2年生の名前が呼ばれていく中、あたしの耳には何の音も入ってこなかった。


感じたのは、大きなショックだけ。

あたしらしくないとは思うけど…スタメンに入る自信は正直なくて…リザーブに賭けてた。


俊介も、飛鳥も、晃汰も…皆、大会メンバーに選ばれてるのに……。


前の大会みたいに、またあたしだけ選ばれないの??

あたしだけ、駄目なの??

…そんなの嫌だよ……!!!!


ーギュッ


あたしの目が潤みそうになった時、左手から温もりが伝わってきた。

その温もりは、飛鳥の手のひらで…あたしの震える手を大きく包んでくれていた。


右からは、小さな振動が伝わってくる。

そっちに目をやると、あたしの練習着の裾を握った俊介の手が小刻みに震えていた。


飛鳥も俊介も、なんでこんなに優しいのかな。


飛鳥の事、たくさん傷つけてるのに、飛鳥はいつだって優しい。

どんなあたしでも受け入れてくれて、応援してくれる。


俊介だって、いつも馬鹿な事やってるのに、大事な時にはいつだって支えてくれる。

柚梨ちゃんの事も含めて、意外と自分より他人を優先するのかもしれないような優しさを持ってる。


なんて最高すぎる仲間なんだろう…!!
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