蹴球魂!!!!

Game59

“1年生、楠木 円”

あの部長の言葉が、あの日から頭の中をぐるぐる回る。


嬉しくて、本当に嬉しくて…。

夢なんじゃないかって、何度も頬をつねっていた。


「円…まだそれやってんの??」

「だって…嘘みたいなんだもん…」

「確かに、FWで1年生で女の子なのにスタメンなんて…異例すぎるもんね!!」

「だから信じられなくてさ…」


飛鳥と俊介にそう突っ込まれるけど、あたしはここ3日間ぐらい、頬をつねるのを止めなかった。

…それぐらい異例の事で、それぐらい嬉しい事だったんだもん。


「お前、そーゆー事してっから顔でけぇんだよ」

「はぁっ!?」

「oh,円!!キレちゃ駄目デスよー」

「キレてないっ!!」

「キレてるっつの。だから馬鹿になるんだよ」

「晃汰もそのへんで止めマショウ??」


ケビンが仲裁に入ってくれてるけど、あたしたちの睨み合いは終わらない。

もう…本当何なの!?

“彼氏”だったらそういう事、言わなくない??


…あ、やばい。

本当にキレそうになってきた。


「円…おいで??」

「胡桃ぃ…」


「飛鳥、俊介、ケビン…晃汰の調教よろしく」

「「了解」」

「は!?ちょっと待てよ!!“調教”ってどういう事だよ!?」

「その名の通りだよ、晃♪…ほら、円行こっ!!向こうでジェニーも待ってるからっ♪」

「ん、わかった」
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