蹴球魂!!!!
ポスンと、おでこをゴールポストに当てる。

ひんやりと伝わる、ゴールポストの冷たさがやけに強く感じる。


「っ……」

あたし…別れた方が、いいのかな……??

このまま、自分の気持ちだけを晃汰にぶつけるだけでいいの??

晃汰は、本当にあたしの事を好きで付き合ってるの…??


駄目だ。

考えれば考えるだけ、マイナスな事しか考えられない。


そんな事をしてた時だった。


「円ぁっ!!!!!!!!」

「っ!?」


背中を向けてる校舎側から、大好きな人の声が聞こえた。


「円…こっち向けよ」

ードキン

「…なぁ」


や、ばい…。

向けないよ。今振り返ったら、別れるなんて出来なくなる。


「円…」


なんでこんな時だけ、切なそうにあたしの名前を呼ぶの??

そんなの…ずるい。


「っ…晃汰の馬鹿……」


そんな事されたら、許すしかないじゃん。

余計好きになっちゃうじゃん!!


「悪かった。俺…そんなつもりなかったんだよ」

「うっさい馬鹿」

「…さっきから馬鹿って言いすぎじゃねぇ??」

「黙れ馬鹿」


こんな馬鹿、なんでこんなに好きなんだろう??

わかんないけど、好きすぎてるよ。
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