蹴球魂!!!!
「正直…女の扱い方がわかんねぇ」
2人で並んで歩く、いつもの帰り道。
いきなり晃汰はそんな事を言い出した。
「扱い方って…」
「つーか、鈴木と別れてから…もう誰も好きにならないと思ってたし」
「そ…か……」
もう2人の関係は“友達”になったとは言え、晃汰を支配する過去は…消せない。
胡桃だけを想ってた過去は、あたしがどうにか出来るものじゃない。
「お前…何ショック受けてんの??」
「…へ??」
さっきまで名前で何度も呼んでたくせに、もう“お前”に戻ってるし。
っていうか…どういう事??
あたしがショック受けてるの、変なのかな??
過去に嫉妬するなんて…おかしい事??
「確かにいろいろあったけど、今俺が好きになってるのは…鈴木じゃねぇじゃん」
ードキンッ
「そ、う…だよね!!」
「誰もお前が好きなんて言ってないけどな」
「え"」
遠回しな、晃汰らしい言葉。
ツンデレかって突っ込みたいけど止めておく。
それぐらい嬉しかった。
晃汰の中に、ちゃんとあたしは存在してるんだってわかった。
晃汰の中で、胡桃との過去にはもう踏ん切りがついてるんだってわかった。
…それだけで十分すぎる。
「晃汰、帰ろっ!!」
「はいはい」
「返事は1回!!!!」
やばい、あたし…テンション高すぎ!!