蹴球魂!!!!

Game63

「っあー!!俊介に負けたかぁ」

サッカー部の中で2番目に帰ってきたのは部長。

「いやー、若いな!!」

「んー…もっと体力つけなきゃだよな」

「若いって…大輔先輩とか唯斗先輩のほうが速かったっすよ…」

その次に続いたのは、大輔先輩、唯斗先輩、晃汰。


そのあとも続々とサッカー部が帰ってくる。


「円ちゃん!!俺、11位だから…勝負しよーぜ!!」

「いいけど…多分佐伯くんが勝つよ??この間、陸上部の女子長距離の1年生が全国出たんでしょ??」

「他の人も関東とか出てるしね♪」

「あたし、勝ち目なくない??」

「だから勝負する気になったんだよ」

「え!?なんか佐伯くんずるくないかっ!?」

「気のせい気のせい♪」


気のせいって…。

あ、そろそろ男子のラストかな??


「女子はスタートライン近辺に集合ー!!」

先生の声がかかる。

「円ちゃん、10位以内目指して頑張ってね♪」

「ま、一応頑張ってくるよ…」


余裕そうな佐伯くんを横目に、スタートラインへと向かう。

っていうか、佐伯くんってあんなキャラだった??

それとも、頭打った??


そんなしょうもない事を考えていたら、胡桃が寄ってきた。


「円、絶対1位取ってねっ♪」

「え」

うわぁ、陸上部の方々に睨まれた…!!


「あ、あれ、ラストじゃない!?」


声のする方に視線を向けると、そこには右足を引きずりながら必死に走る人影が見えた。

「「あ…す、か……??」」

まさか、怪我でもしたの!?!?
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