蹴球魂!!!!

「胡桃、頑張れ!!」

「あ、唯斗っ♪」

「円ちゃんと1、2フィニッシュしたらいいもんあげるから☆」

「本当っ!?じゃあ頑張るね!!」

「おう!!円ちゃんも頑張れ!!」


ゆ、唯斗先輩はどんだけ胡桃に溺愛なんですか!?

普通、応援しながら隣を一緒に走る!?

そんなに話したいの!?


…ちょ、ちょっと羨ましいけどさ??


「えへへ♪…円、絶対1、2フィニッシュしようねっ」

「本当にバカップルなんだから…」

「え??今褒める所??」

「いや、褒めたわけじゃないけどね??」


胡桃のテンションもMAXになって、ついに先頭集団が見えてきた。


ーハッ ハッ ハッ

一定した、狂いのない呼吸。

毎日の練習が築き上げた体力と感覚。


…やっぱり陸上部って凄いなぁ。


「胡桃、行ける??」

「愛のパワーでなんとか!!」

「…あ、そうすか」

「ちょっと!!円冷たいーっ」


もう唯斗先輩大好きですアピールが止まらない胡桃には呆れるほどだけど、胡桃だって凄いと思う。


陸上部はもちろん、あたしだって最近の練習で鍛えられてるからこの集団の
中で走っていられるけど、胡桃はマネージャーだし、本来はピアノを弾くだけ。

なのにこんなに走れるなんて、やっぱり胡桃は天才。

生まれもった才能とそのかわいさだもん、唯斗先輩もデレデレになるか。


「あと500m!!」

ついに係の先生がそう告げた。
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