蹴球魂!!!!
あ、あの人、絶対上手い。


春に練習試合で当たった時には、あんな人いなかったよね!?

それとも何??

この期間でオーラが周りと違うぐらい上手くなるものなの!?


「森山 飛鳥ぁ」

「「!?!?」」


10番を背負った彼が、足でボールをさばきながら、はっきりと名前を呼んだ。

…飛鳥の名前を、呼んだ。


「っ…!!」


10番を睨んで、嫌そうな顔をする飛鳥。

って事は、2人は知り合い??

しかも犬猿の仲…とかだったりするの??


「来いよぉ??」

「……。」

「あ??向かって来ねぇの??ビビってんのぉ~??」


何あいつ。

飛鳥を挑発するような喋り方。

凄いムカつく。

晃汰に馬鹿にされた時よりムカつくなんて、相当だよ!?


なのに。


「……。」


飛鳥は黙り込んで、ただ相手を睨むだけ。

当たりに行ったりしないのは、それだけ飛鳥が冷静な証拠。


「なら、俺から行っちゃうよぉ~??」


ーブチッ

あーもう駄目だ。我慢出来ない!!!!


イライラが限界に達したあたしは、後ろから回り込んでボールを奪う事にした。
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