蹴球魂!!!!
前半と同じようにホイッスルが鳴って、それと同時に動き出す22人。

ただ1つのボールを巡って、奪い合って、相手のゴールにそれを入れる。


この単純作業がどれだけ難しくて、そしてどれだけ面白い事か!!


「もーらいっ♪」

「あ…!!」

「「大輔ナイスカットー!!!!」」


だからサッカーはやめられない!!!!


「晃汰っ!!」

「円っ!!」

「唯斗先輩っ!!」

「はいよっ♪」


リズムよく回る、4人の間のパス。

そんな中、視界の端に飛鳥が見えた。

後半が始まってもなお、胡桃たちマネージャー軍団の処置を受けていた。


そんなボロボロになるまで、我慢してほしくなかったよ…。


いつだって優しい飛鳥。


“ 俺、円が好きだ……”

まっすぐに想いを伝えてくれて


“ 誰よりも先に話しかけて、誰よりも先に円の頭に残っていたかった”

こんなあたしを好きになってくれた。


“ 円は笑ってろよ…”

飛鳥の願いはいつもあたしの幸せばっかり。

優しすぎる。


そう、飛鳥は優しすぎるんだよ。

誰かを支える事ばっかり考えてて、自分の事は二の次三の次。

もっと楽したっていいのに。

もっとワガママでいいのに。

飛鳥は、優しすぎるよ…!!


「円っ!!!!」

「え??」
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