蹴球魂!!!!
はぁ…って、盛大なため息をつきながらゆっくりと、置かれてる長椅子に横になる飛鳥。

って…ん??


「飛鳥、それ…」

「っ!?」


あたしがそう声をかけると、飛鳥は焦ったように“それ”を隠した。


さっきまではズボンで隠されていたのが、横になった事で見えてしまった。

出来る事なら、見たくなかった。


「包帯…??」

「っ!?!?」

「ねぇ、見られたくなかったのって、これ??」

「……。」


黙り込む飛鳥。

って事は、あたしが見てしまったものは包帯で、見てはいけなかったんだ。


「…いつ、から……??」

そう聞いた自分の声が、震えてる。

気付けば指先も震えてる。


スゥッと息を吸った飛鳥は言った。

「夏に皆とプールに行った時…かな」


ードクンッ


ああ、そっか。

この震えの原因は、怖かったからだ。

その事実を知るのが、怖かったからだ。


「んで…??」

「え??」

「なんで、ずっと隠してたの??なんで飛鳥が怪我しなきゃいけなくなったの??」

「…それ、は……」


それだけ言って、また黙り込む飛鳥。

そんなに言いたくない事??
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