蹴球魂!!!!
これに勝てば、県代表として冬の国立に出られる。

あの国立のピッチで試合が出来る。

…もちろん出場する事が目標じゃないけど、出られなかったら優勝なんて夢のまた夢。


この仲間達がいてよかった。

この高校に来れてよかった。

この部活に入ってよかった。


あたしが“楠木 円”でよかった。


そう思えるように、全試合に全力を尽くさなきゃ!!!!


飛鳥にも、晃汰にも、俊介にも、胡桃にも、皆にも。

そう思って欲しいもん。


「円!!!!」

「はいっ」

晃汰の強くて速くて鋭いパスは、いつだって魂が込もってる。


「あっ!!」

ドリブル中に、相手DFにボールを奪われる。

「大丈夫!!カバー入れ!!」

「「おう!!」」

皆のあたたかくて心強いカバーは、いつだって連携抜群。


「無理だけは絶対すんなよ!?」

「当たり前っす!!」

途中から“無理だけは絶対しない”っていう約束で飛鳥もピッチに入った。


何だかんだでやっぱり安心するんだね。

晃汰もなんか嬉しそうだし☆


「行くぞ円ぁーっ!!!!」

「ありがとっ!!!!」

飛鳥のどこまでも伸びそうなロングパスは、いつだって取りやすい。


「まーちんフェイント使って!!囲まれるよ!!」

「はいっ!!」

俊介のベンチからの正確なアドバイスは、いつだって声が通って聞きやすい。


「円落ち着いて!!唯斗がフリーだよ!!」

「おっけ!!」

胡桃の高いキーの聞き慣れた声は、いつだってあたしを落ち着かせてくれた。
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