蹴球魂!!!!
我ながら、超アバウトな質問。


『……ハイ????』


返ってきたのは、当たり前の答え。って、これじゃそうだよね。


「ごめん。いきなり電話して、意味不明な質問して…」

『うっ、ううん!?全然大丈夫だけど…何があったの??』


きっと胡桃は、ケータイを握り締めながらぐるぐる回ってる。

最近見つけた、困ってる時にやる胡桃のクセ。

想像して、凄く申し訳なく思った。


「実はね…??」

あたしは、晃汰と一緒に帰った時の変な感情の事とか、それを病院の先生に相談したら、“惚れかけてる”って言われた事とか…

とにかく全てを話した。


『……。』

胡桃は、あたしが話し終わるまで、黙って聞いてくれた。


『そう…なんだ…』

あたしが話し終わると、胡桃は驚きを隠せないかのようにそう呟いた。

そりゃ…驚くよね。ついこの間まで大嫌いだった晃汰に惚れたのかも、なんて…。


でも、あたしだって驚いてる。それに、信じられない。


『それは私も、恋してる証拠だと思うよ??』

「そう…なのかなぁ…??」


胡桃までそう言うって事は…やっぱりあたしは、晃汰が好きって事??


「なんかもう…わかんないよ……」


好きなんて感情、持った事無かった。

誰かに惚れるなんて経験、した事無かった。

こんな事で悩むなんて…想像しなかった。


『頑張りなよ??』

「うん…」


あたしは結局、何も解決しないまま電話を切った。
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