蹴球魂!!!!
「お前もよくわかってると思うけど…大悟さんはめちゃくちゃ強ぇ」

「うん…」

「お前は当然…俺だって飛鳥だって、あの人には適わない」


それぐらい大悟さんは強い。

そんなの言われなくたってよくわかってる。


「でも、俺は大悟さんの弱点を1つ知ってる」

「っ!?じゃ、弱点!?」

そんなの存在するの!?

だって相手は大悟さんだよ…??


「チームワーク」

「え??」

「弱点はチームワークだよ。大悟さんたちにはチームワークなんてもんは一切存在してない」

「確かに大悟さんのワンマンチームだけど…それでもあの強さだよ??」

「じゃあ、俺らの強みは??」

「あたしたちの、強み…は、チームワーク??」

「そーゆー事」


そうか。

たった1人で戦おうとする大悟さんに対して、あたしたちは11人でぶつかっていくんだ。


「こっちは大悟さん1人を徹底的にマークすればいい。だけど俺らは1人じゃない」


確かに個々の技術じゃ誰1人大悟さんに勝る人はいない。

だけどあたしたちは11人で1チームなんだ。

今までだってそうだった。


ピンチの時は助け合って、チャンスの時は全員で攻めて、そうやって勝ちあがってきた。


「だから俺らがぎくしゃくしてる訳にゃいかねーんだよ」

「そだね…」


別にあの言葉を気にしてる訳じゃなかった。

だけど心のどこかでは晃汰のあの冷たい声を怖がってるあたしがいたんだ。


「晃汰、あたしこそ…ごめんね」


素直に謝ると、晃汰はフッと鼻で笑った。

「バーカ」

そして、あたしたちは静かにキスをした。

絶対に、勝つ。
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