蹴球魂!!!!
「遅ぇぞー!!」

「「すいません!!」」

「まぁなんか仲直りしたみたいだからいいや。早く準備して来い」

「「はい」」


大輔先輩にそう言われて急いで準備する。


「1、2、3、4…よし、全員いるな」

この間みたいに飛鳥が人数を数える。

「んじゃ、皆行くぞ!!」

「「はい!!!!」」


大輔先輩の掛け声と共に、あたしたちは控え室へと向かう。


「あ、こ、こんにちはっ」

「……。」

途中で大悟さんに出くわして挨拶したけど、向こうは完全無視。

き、キレるなあたし!!

「まぁ許してやってくれよー」

大輔先輩がすかさずフォローに入る。

「一丁前に兄貴面してんじゃねぇよ」

にも関わらず、大悟さんはボソッと文句を言った。

き、キレるなキレるな、キレちゃ駄目だよあたし!!!!


「何??ケンカ売ってんすか」

「「っ!?!?」」

そんな大悟さんの態度にキレたのはあたしでもなく大輔先輩でもなく…晃汰だった。

「は??だったら何なんだよ」

「謝れよ。大輔先輩に謝れよ」

「俺は緩い環境で適当にサッカーやって一丁前に部長面していい兄貴のフリしてるよーな奴、大ッ嫌いなんだよなー」

「ちょちょちょ…今揉める事ないじゃんっ」

「「女は黙ってろ」」


…え??今、何ですと??

何かがプツンッと切れたような音がした。


「いい加減にしろ!!サッカーで勝負つけりゃいいじゃん!!あたしたちが勝ったら大悟さんには土下座でも何でもしてもらう!!」

「へぇ??面白ぇじゃん」

「じゃあ決まりね」

「その代わり、俺らが勝ったら…大輔、お前はサッカー部辞めろよ…??」

「「!?!?!?」」


その時、あたしは自分がしでかした事の重大さに気がついた。

だけど気づくのが遅すぎた。


「あぁ、いいよ」

「っ!?…大輔先輩!?」
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