蹴球魂!!!!
「……。」


完全に固まってる胡桃さん。口、開きっぱなしですよ。


「く…胡桃さーん??生きてますー??」


「………。」


返事がない。ただのしかばねのようだ。

じゃなくて!!!!!!!!


「胡桃っ!?起きて!!」

「…ぅえ!?あれ??私、フリーズしてた??」

「してましたよー??口、開きっぱなしだった☆」

「嘘ぉ…!!!!」


絶句、という言葉がぴったりな顔をした胡桃。


「そ、それで多分好きって思ったの??」

仕切り直すように、胡桃はそう言った。


あたしは、今までの晃汰との事を胡桃に説明した。


「それは…浜口くんの優しさを知っちゃったからじゃないかな!?」

「優しさ…??」


あたしが驚きながらそう聞くと、胡桃は腕を組んでどや顔をした。


「当っっったり前じゃん☆」

「あ…当たり前??」

「うん♪だって、最近の浜口くん、変に優しかったりするんでしょ??」

「う、うん…」


確かに、最近の晃汰は変。


雨の日に、透けないように練習着を貸してくれたり、あたしに今まで見せなかった笑顔を見せたり…。


「浜口くん、優しいじゃん。円!!頑張りなよっ♪」

「うん…」


そっか…。あたしは、晃汰の優しさにいつしか惹かれてたんだ…。


< 59 / 394 >

この作品をシェア

pagetop