蹴球魂!!!!

Game13

「えー、明日からはテスト1週間前で、部活停止期間になりまーす」

3年生の部長の言葉で、あたしは初めて現実に気付いた。


…テスト……!!!!


「やべぇ…俺勉強してねぇー!!」

「そうなんですか??唯斗先輩、何だかんだ言ってやってそうですよ??」

「んな事ないし!!胡桃ちゃんはやってるの??」

「はい♪親も厳しいですから」


遠くのほうでは、周りと打ち解ける事が出来た胡桃が、唯斗先輩と話していた。

頬を染めて笑う胡桃は凄くかわいくて、キラキラと輝いていた。


恋する乙女って、こんな感じなんだなぁ…。


ーボスッ

「!?痛っー!!!!」


頭に何かが当たった。…サッカーボール??


「ボーッとしてる暇あったら片付け手伝え」

「晃汰!!ボールぶつける必要ないでしょ!?」

「あ、やっぱ当たった??俺、コントロール良すぎだな」


…この自意識過剰人間め!!!!


「いーや、絶対違うね!!」

「じゃあ、お前が避けんの下手なだけ」


……!!!!!!!!怒


なんか…違うなぁ…。


胡桃と唯斗先輩みたいに、普通の会話が出来ない。

好きになれば、変わるんじゃないのかなぁ????


やっぱり、恋した事ないとわかんないや。

胡桃たちの真似すれば上手く行くかな??


「晃汰、テスト勉強進んでる??」

「は??しねぇし」


…やっぱり、駄目かぁ……。
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