蹴球魂!!!!
「はーい」

渋々返事をすると、いつの間にか電車はあたしの最寄り駅に着いていた。


「あ、じゃああたし降りるね」

「おう☆また明日なー!!」

「じゃあなっ」

「じゃ」


人一倍短い晃汰の言葉。

いつもはやっぱり優しくなくて、だからこそ、あたしは晃汰のたまに出る優しさに惹かれたんだ。


ケータイを開くと、メールが1件。

「誰だろ…??」

送り主は、胡桃だった。


〈円ー!!実はね、唯斗先輩と遊びに行ける事になったよーっ♪〉

さすが胡桃!!展開が早いなぁー!!

〈よかったじゃん!!おめでとーっ♪〉


そんなメールを送りながら、ふと思った。“晃汰と遊びに行きたいな”と。


「……。」

だ、駄目だ!!自分で思って恥ずかしい!!

あたし、こんなキャラじゃないのに。こんな事思うなんて、絶対おかしい。


ートクン


晃汰の事を考えるだけで、こんなにも胸が高鳴る。


〈円だって、明日から毎日浜口くんと2人でお勉強でしょ??そっちのほうが羨ましいよっ!!〉

そうだ、明日から晃汰と2人で勉強…。

〈でも、晃汰はあたしの事、絶対嫌ってるし!!!!〉

緊張しちゃうよー!!!!

〈えぇ??私はそう思わないけどなぁー〉



“そう思わない”??

あの光景を見てそう考えます??


…胡桃の頭の中が不思議でならないよ??
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