蹴球魂!!!!
飛鳥と俊介が降りた駅から1駅だけだったのに、すでにあたしはドキドキして、立っているのがやっとだった。


「俺ん家、歩いて5分ぐらいだから」

いつもなら部活をしている時間の空は真っ青で。

眩しく輝く太陽に照らされたあたしたちは、2つの影を作っていた。


ードキン

2つの影が、ゆっくりと歩く。


晃汰の影は、あたしの影よりだいぶ大きくて。


あたしの心は高鳴るばかりだった。


「ここが俺ん家」

着いた先は、家とは思えないほど大きな家だった。

「晃汰の家…デカいね……」

あまりの大きさにびびったあたしは、それ以上何も言えなかった。


「まあ入れよ」

「う、うん。お邪魔しまーす…」

「あらいらっしゃい!!晃汰の…彼女さん!?」


綺麗な女の人。晃汰のお母さんかな??


「違ぇよ。部活が同じ奴」

ーズキンッ

「は、はじめまして…」

「はじめまして。晃汰の母です。よろしくね??」

「よっ、よろしくお願いしますっ!!」


“ 違ぇよ。部活が同じ奴”

この言葉が、当たり前なのに。


ーズキン


あたしは何を期待してたんだろう??

「2階行くぞ」

あたしは何でこんなに、間抜けなんだろう??

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