蹴球魂!!!!
ーガチャッ


「その辺適当に座ってて」

幼馴染の男の子を除いて、初めて入る、男の子の部屋。

そこにあるのは机とベッドと…サッカーの物。


「あーっ!!!!」

あたしは、たくさんのポスターが貼られた壁の一部を指差した。

「ももも、もしかして…クリス!?」

「??そーだけど??」

クリスっていうのは、あたしが一番好きな海外のサッカー選手。

スペインの1.2を争うチームのエースで、物凄いイケメン!!


あたしがFWのポジションを希望したのも、クリスの影響。


「クリスのファンなの!?」

「まぁ…な。つーか、クリスだけじゃなくリアルの選手は全員尊敬してる」

「りっ…リアルファンいたぁー!!!!」


リアルっていうのは、あたしが大好きなクリスの所属しているチームで、スペインのチームでは優勝候補のチーム!!


「えへへ…テンション上がったー♪」

「あっそ。勉強するぞ」

「うんっ!!」


晃汰との、共通点が出来た。それがあたしにとっては嬉しかった。


「…ん」

開始10分で、あたしの目の前に差し出されたのは現国の問題集。

「へ??」

「これ、意味わかんねぇ」

…もしかして……。

「教えろ、って事??」

「当然だろ。何のためにお前呼んだと思ってんの??」


あたしは、あまり良くない記憶力をフル活動させて、晃汰の言葉を思い出した。


あれは、テストで部活停止期間になるって言われた時だったよね…。
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