蹴球魂!!!!
シーンと静まり返った館内は、テスト前という事もあって、勉強をする人がたくさんいた。


「結構混んでるね」

「まぁ、どっかに座れんべ☆」

「そうそう、気楽に行こーよ♪」

「ふぁ……眠っ」


何だか皆の性格が表れた会話だなー。

でも、“ まぁ、どっかに座れんべ”って…飛鳥らしくない。

まるで、入学当初みたいなキャラだよ??


「あ、空いてる!!」

俊介がそう言った時には、もう席確保のために走っていた。


あたしたちが走る事もなく追いついた頃には、俊介が4つの席をゲットしていた。


「俊介やるじゃーん☆」

「マジ??やっぱり俺って天才!?晃ちん、どう思う!?」

「…んぁ??……知らね」

「晃ちん…いつになったらいつもの晃ちんに戻るの…??」

「…俊介、すでにいつもの晃汰だと思うよ??」


正確に言うと、いつもの晃汰(寝起きで機嫌悪いver.)だけどね。


あたしたちは俊介が確保してくれた席に、俊介、晃汰、あたし、飛鳥の順で座った。


「じゃ、やるか」

目が覚めたっぽい晃汰が言った。

その言葉を合図に、あたしたちはしばらく話さずに勉強した。


ーカリ カリ カリ…

シャーペンが忙しそうに動くノートの上で、あたしは必死に問題と闘っていた。


…実を言うと、さっきから解けない問題がある。


誰かに質問したいけど、なんか皆真面目に問題解いてるし…。

…どうしよう??
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