蹴球魂!!!!
あたしがオロオロしていると、晃汰が声をかけてきた。


「ちょっと付き合え」

「えぇ!?今そんな暇…」

「それ、わかんねぇんだろ??教えてやるから」

「…!!う、うんっ!!」


晃汰…気付いてたんだ。


図書館の外の自販機で、晃汰は缶コーヒーを買った。

「え、晃汰…コーヒー飲めるの!?」

「は??飲めるけど」

「嘘ー!!凄くない!?あたし飲めないよ」

「普通じゃね??むしろ飲めないほうがおかしい」


…やっぱりムカつく!!


「で??これがわかんねぇんだっけ??」

自販機の近くのベンチに、晃汰と2人で座る。


「うん。なんでここで>を<に変えなきゃいけないのかがわかんない」

「…簡単じゃん」

「ゔ…。あたしには難しいのっ!!」

「はいはい。これはXの係数がマイナスだから…」


何だかんだ言いつつも、ちゃんと教えてくれる晃汰。


ードキン

問題を解く表情がいつもより大人っぽく見えて、そんな晃汰に心は高鳴って。


「で、>は<に変えなきゃいけねぇの。わかった??」

あぁー!!!!

「わかったっ!!超わかったっ!!!!ありがとーっ♪」

「あっそ」

いつものように無愛想な晃汰の言葉。でも、いつもと違う事があった。


それは、晃汰が私服であるという事。


そして、晃汰の頬が微かに赤く染まっているという事。
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