蹴球魂!!!!
飛鳥にメールを送ったあと、あたしはただひたすら泣いた。

恋ってこんなにつらいものなんだって、初めて知った。


ーヴーッ ヴーッ

ケータイが震えると同時に、あたしの肩がビクッと反応する。

〈Eメール受信:森山 飛鳥〉

画面上に表示されたその文字を見て、胸が苦しくなった。


…どうして飛鳥じゃなかったんだろう??

もしあたしが飛鳥に惹かれていたなら、これで傷つく人はいなかったのに…。


後悔したって、今さら引き返せない。

あたしは、飛鳥じゃなく、晃汰に恋をしてしまったから…。

だから、飛鳥のメールがどんな内容でも…もう、泣かない!!


あたしはまだ溢れ出しそうな涙を堪えて、飛鳥からのメールを開いた。


〈謝んなって。俺、返事はわかりきってたから〉


……え??どういう事??


〈俺さ、“返事はいつでもいい”とか言っときながら、本当はびびってたんだ。円に振られるの、嫌でもわかってたから〉

〈じゃあ…なんで??〉


なんで告白なんか、したの??

そんな疑問が頭の中を駆けめぐった。


〈円が好きで仕方なくて、どうにかして俺を見てほしかった〉

メールだからか、凄くストレートな飛鳥の言葉に思わず頬を染めるあたし。

〈振られてもいいから、俺の気持ちを伝えたかったんだよ〉


…飛鳥。

飛鳥、飛鳥。


〈ありがとう。〉


そんなに想ってくれる人がいるだけで、あたしは嬉しいよ…!!

…もう、“ごめん”は言わないからね。
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