苺花(イチカ)
★
(はぁ…危なかった 乗り遅れるとこだったよ… )
思って、ほっとする。
広々とした車内には、数人の人影しかない。
(お母さんってば発車の時間、まちがえてるんだもん…ただでさえ 本数少ないのに…)
ため息をつく。
実際、先ほどから何度か駅に止まっているが、人が出入りする姿を見かけていない。
少なすぎる気もするが、
何せ山奥へ向かう列車だ、そう考えれば特に珍しくはないように思えた。
少女は本を取り出す。
ページを開くと、しおりが挟まれていた。
(…″出会い″は″奇跡″、か…)
(そういうのって、普通に暮らしてて思うこと あるのかなぁ?
一体これを書いた人は、
どんな″出会い″をしたんだろう…?)
読み終えて本を閉じると、裏に作者の名前が見えた。
ー月風 彩。
(つき…かぜ、 あや…)
(はぁ…危なかった 乗り遅れるとこだったよ… )
思って、ほっとする。
広々とした車内には、数人の人影しかない。
(お母さんってば発車の時間、まちがえてるんだもん…ただでさえ 本数少ないのに…)
ため息をつく。
実際、先ほどから何度か駅に止まっているが、人が出入りする姿を見かけていない。
少なすぎる気もするが、
何せ山奥へ向かう列車だ、そう考えれば特に珍しくはないように思えた。
少女は本を取り出す。
ページを開くと、しおりが挟まれていた。
(…″出会い″は″奇跡″、か…)
(そういうのって、普通に暮らしてて思うこと あるのかなぁ?
一体これを書いた人は、
どんな″出会い″をしたんだろう…?)
読み終えて本を閉じると、裏に作者の名前が見えた。
ー月風 彩。
(つき…かぜ、 あや…)