【短】恋ごころ

イズミとはどんな関係?

リオさんの事はどう思ってんの?今も好き?


なんて…聞けないよな。

情けない、あたし。


このまま携帯の電源を切ってやろうかと思った。だけど、そんな事をしたら余計に怪しいからそれはしないでおこうって思った。

でも結局はその日はタクヤから電話も無ければメールさえも入っては来なかった。


だから朝起きた時にはホッとしてた自分が居た。



「ねぇ、沙耶?」


次の日の昼休み、渡り廊下の地面に座ってパンを頬張る沙耶に声を掛けた。


「んー…、何?」


そう返事を返してくるものの視線は地面に置かれて開けてあるファッション雑誌に向いている。


「沙耶はさぁ、身体の関係だけあるのってどう思う?」


そう言った瞬間だった。

声には出してないけど沙耶の顔が“は?”って感じであたしに向けられる。


そんな沙耶の表情に、言うんじゃなかったって思ってしまった。


「つか、何それ?セフレって事?」

「あ、いや…そう言うんじゃないんだけどね、ほら何て言うか。…好きなんだけど付き合ってなくて、でも身体の関係だけはちゃんとあるの」

「って言うか、明日美そんな奴いんの?」

「へ?」


まさかそこに繋がるとは思ってなかった。

例えのつもりが…例えのつもりだったのに何故かあたしに振られてる。


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