【短】恋ごころ
「だって道具じゃん。男ってね、きっと誰とでもヤれんだよ。男からしたら誘ってきた女とヤれるってだけで最高なんだよ。浮気されてからつくずく思うよ」
「……」
「まぁ、男から見れば、誘う女は玩具にすぎないね」
「……」
もう返す言葉すら見つかんない。
あたしはタクヤの玩具?道具な訳?
あぁ、そういや言ってたっけ。あたしと寝る理由は、あたしが誘うからだって。
そっか、そうなんだ。あたしってタクヤの処理女って事か。
最悪だ。それってますます最悪じゃん。
イズミだってタクヤを狙ってる訳だし、絶対そんなのイズミとヤるに決まってんじゃん。
さっき食べた物…吐きだしそう…
「つーか、もしかして明日美、自分の事言ってんじゃないでしょーね!」
鋭く突き刺さってくる沙耶の言葉に顔をブンブン横に振った。
怪しい目つきで見てくる沙耶が本当に怖いと思った。
「そんなわけないじゃん。あたし好きな奴なんて居ないし」
「ホントに?」
「ホント、ホント」
うん、居ないよマジで。
想ってもくれないタクヤなんてもう知らない。もう、好きになるのやめよう。
疲れるだけだ。